開催にあたり
時代が求める祈りのかたちをご提案いたしたく、2002年に東京・銀座に開廊いたしました「ギャラリー厨子屋」は、お陰様で今年20周年を迎えさせていただくこととなりました。この間、日本を代表するデザイナーや工芸家、多様な表現者より、様々な祈りのかたちが生みだされ、住まいや生活の価値観が変化する中で、今をより良く生きる事を願う人々に共感いただけ、少しずつ広がりを見せるようになりました。
それは、自然や環境の変化が著しい今、自身の内面に目を向ける、心の拠り所を求められる方が増えているからではないでしょうか。この度、この20年を振り返りますとともに、《これからの祈りのかたち》として厨子をはじめ、多様な祈りの調度品などをご覧いただき、暮らしの中での祈りの場・時を改めて考える機会として、企画展を開催させていただきます。
開催日程
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第1回
10月15日(土)-10月30日(日)
「インテリアデザイナー
内田繁の厨子」展 -
第2回
11月12日(土)-11月27日(日)
「格別なる表現から生まれた
祈りのかたち」展 -
第3回
12月10日(土)-12月25日(日)
「アルテマイスターの厨子」展
厨子とは?
厨子とは、大切なもの・ことを納める箱、魂を委ねられるほどの霊性ある格別な箱のことです。6世紀、日本に仏教が伝来し、7世紀(飛鳥時代)に入ると、仏教文化として大変革がおこり、仏像・仏舎利・経典・位牌など、大切なものを納める箱として厨子が広がったとされ、この時代につくられた、奈良の法隆寺に安置されている国宝・玉虫厨子が有名です。厨子という名前の由来は、貴人の家の台所を御厨子所(みずしどころ)と呼び、そこで使われていた棚を≪厨子棚≫と呼んでいたことから。起源は中国、命を繋ぐための食物や食器を大切なものとして納めていた箱や棚が始まりといわれています。
厨子屋の厨子
古来より、神仏に関する造形表現は、各時代の一級の造形師が関わり、それぞれの祈りの文化を形成し、今日に至ります。私たちは過去に学び、未来の扉を開くべく、日本を代表するデザイナーや工芸家と共に、生活空間に調和し、祈りの心を納めるに適う荘厳さをもつ現代の祈り箱・厨子を創出しています。製造は、1900年の創業から、福島県会津若松の地場産業の一つとして、仏壇・仏具・位牌の製造・販売を手掛けてきた 「アルテマイスター」。100年以上続くものづくりの技と心を尽くし、様々な人の心に寄り添う祈りのかたちをご提案しております。
厨子屋の厨子
古来より、神仏に関する造形表現は、各時代の一級の造形師が関わり、それぞれの祈りの文化を形成し、今日に至ります。私たちは過去に学び、未来の扉を開くべく、日本を代表するデザイナーや工芸家と共に、生活空間に調和し、祈りの心を納めるに適う荘厳さをもつ現代の祈り箱・厨子を創出しています。製造は、1900年の創業から、福島県会津若松の地場産業の一つとして、仏壇・仏具・位牌の製造・販売を手掛けてきた 「アルテマイスター」。100年以上続くものづくりの技と心を尽くし、様々な人の心に寄り添う祈りのかたちをご提案しております。
展示のあゆみ
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第25回
2022年6月18日(土)-7月1日(金)
十時啓悦「祈りのかたち」展
-
第24回
2021年12月11日(土)-12月24日(金)
福森雅武「祈りのかたち」展
-
第23回
2021年11月20日(土)-12月3日(金)
米田文「日々仏」展
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第22回
2021年7月3日(土)-7月16日(金)
泉泰代「祈りのかたち」展
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第21回
2020年10月10日(土)-10月23日(金)
成田聡子「おだやかな こころ」展
-
第20回
2019年11月16日(土)-11月29日(金)
「若杉聖子の具足展」
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第19回
2019年8月23日(金)-9月1日(日)
過去に学び 未来へ アルテマイスター
「工房厨子」発表 -
第18回
2018年10月13日(土)-10月26日(金)
清水真由美「祈りの器」展
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第17回
2018年3月17日(土)-3月30日(金)
伊藤慶二「祈りのかたち」展
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第16回
2017年3月17日(金)-3月31日(金)
藤野征一郎「祈りのかたち」展
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第15回
2016年11月25日(金)-12月8日(木)
米田文「百仏」
-
第14回
2016年7月1日(金)-7月14日(木)
ミヤケマイ祈りのかたち展
reve les yeux ouverts -
第13回
2016年3月25日(金)-4月8日(金)
緒方慎一郎「祈りのかたち」展
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第12回
2015年11月21日(土)-12月4日(金)
福森雅武「祈りのかたち」展
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第11回
2014年5月25日(日)-6月8日(日)
内田鋼一「祈りのかたち」展
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第10回
2013年4月13日(土)-4月26日(金)
藤野征一郎「漆の仕事」展
厨子みたての額・祈りの厨子 -
第9回
2012年11月23日(金)-12月6日(木)
米田文「わたし仏」
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第8回
2012年3月17日(土)-3月30日(金)
厨子も建築 -久村卓が考える厨子-
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第7回
2011年12月10日(土)-12月25日(日)
成田聡子の「お地蔵さん」展
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第6回
2011年2月4日(金)-2月17日(木)
東日出夫「粋・境の厨子」展
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第5回
2009.9.17(木)-9.30(水)
陶芸家 伊藤慶二 祈りのかたち展
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第4回
2009.4.4(土)-4.19(日)
デザイナー 森豪男 手のひらの厨子展
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第3回
2008.11.1(土)-11.17(月)
祈りのかたち 米田文 藤野征一郎
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第2回
2006.5.26(金)-6.8(木)
東日出夫「粋境の厨子」展
-
第1回
2002.10.19(土)-11.10(日)
内田繁の厨子展
第1回
「インテリアデザイナー
内田繁の厨子」展
- 期間
- 2022年10月15日(土)〜30日(日)
- 開催時間
- 11時〜19時 火曜定休
- 入場無料 最終日17時閉場
現代の祈りのかたちを提案するギャラリー厨子屋は、2002年10月に開催した「内田繁の厨子展」からはじまり、今年で20周年を迎えることとなりました。
「デザインとは、人間の暮らしを豊かにするもの」と、常にものの根源を見つめ、人の幸せを願われた内田氏から生まれたデザイン厨子シリーズは、《現代の暮らしに適う祈りのかたち》創出の道標となりました。今企画展では、2002年、2009年発表の厨子と合わせ、希少な材や国産漆を用いた記念モデルを発表いたします。
内田 繁
Shigeru Uchida
日本を代表するデザイナーとして、建築・インテリアにとどまらず、家具、プロダクトデザインに至る活動が国際的な評価を受ける。代表作に、山本耀司のブティック、「ホテル・イル・パラッツォ」、茶室「受庵・想庵・行庵」など。毎日デザイン賞等受賞。2007年に紫綬褒章を受章。メトロポリタン美術館をはじめ、世界の美術館に永久コレクション多数。
第2回
格別なる表現から生まれた
祈りのかたち展
- 期間
- 2022年11月12日(土)-11月27日(日)
- 開催時間
- 11時〜19時 火曜定休
- 入場無料 最終日17時閉場
ギャラリー厨子屋が開廊して20年。デザイナー、そして陶芸・漆芸などの造形家から生み出された厨子や仏様、祈りの調度品には神聖感・清浄感が宿り、人々の心の拠り所となる、現代の祈りのかたちの創出となりました。今企画展では、伊藤慶二、福森雅武、内田鋼一、3名の造形家による20周年に合わせた作品を発表させていただきます。どうぞ、ご高覧いただきたくご案内申し上げます。
─ 格別なる表現から見えてきたもの ─
現代の暮らしに適う祈りのかたちをと、模索を続けてきた20年。この間、格別なる表現者の方々に現代の「暮らしに」「人の心に」届く祈りのかたちをとご依頼し、そこに生まれた作品の数々は現代の人の心に深く届きはじめることとなりました。自然を疎かにした人間社会へ、いましめのごとく降り注ぐコロナ禍然り無情な戦火の報に日々触れかつての日本の在り様が思い返される今。尚更に、格別なる表現者の方々の、心と技から生み出された祈りのかたちには、人の心を癒す力があるのではないでしょうか。
コーディネーター 山田 節子
伊藤 慶二
Keiji Ito
陶芸家
1935年岐阜県土岐市生まれ。武蔵野美術学校卒業。30歳で陶芸の道に入る。いずれの会やグループにも属さずに独立独歩で制作、畏敬を集める作品を作り続けている。国内はもとより、デュッセルドルフ、ハノーバーなど海外での個展も多数。1978年世界クラフト会議・日本クラフトコンペ美術出版社賞受賞。2007年円空大賞展 円空賞。2013年地域文化芸術功労表彰など受賞多数。
福森 雅武
Masatake Fukumori
陶芸家
1944年三重県伊賀市生まれ。伊賀丸柱「圡楽窯」の7代目。白洲次郎・正子夫妻ほか多くの人々との出会いに薫陶を受ける。花、木々と言葉を交わし、米、野菜、肉、川魚など、伊賀の自然を慈しむ暮らしを愛で、余計な主張を徹底的に捨てたものを作り続けている。花生けの名手であり、料理の名人でもあり、暮らしのしつらえも然り。住まいの中に、陶仏もまた自然に至る。
内田 鋼一
Kouichi Uchida
陶芸家、 造形作家、 アートディレクター
1969年愛知県名古屋市生まれ。愛知県立瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科修了後、世界各国の窯場やアトリエに住み込み、現地で作業をしながら技術を身に付けた後、1992年三重県四日市市にアトリエと窯場を構え独立。国内外の美術館やギャラリーにて個展を中心に活動。2015年三重県四日市市に「BANKO archive design museum」を開館。2019年日本陶磁協会賞受賞。2021年三重県多気町のVISONに「KATACHI museum」を開館、監修。
第3回
「アルテマイスターの厨子」展
- 期間
- 12月10日(土)-12月25日(日)
- 開催時間
- 11時〜19時 火曜定休
- 入場無料 最終日17時閉場
ギャラリー厨子屋が開廊して20年。
現代の祈りのかたちをと、デザイナー・工芸家によって様々な祈りのかたちが創出され、その多様な表現や、日本の美意識から学び、生まれた《アルテマイスター》の厨子。
今企画展では、自然の恵みを生かすものづくりとして、希少な材や国産漆を用いた記念モデルの厨子や、余材を用いた調度品もご紹介いたします。
ぜひご高覧いただきたくご案内申し上げます。
《アルテマイスター》はギャラリー厨子屋の運営母体であり、 1900年創業以来、仏壇・仏具・位牌の製造販売を一貫して手がける会津若松のメーカーです。
第1回
「インテリアデザイナー
内田繁の厨子」展
- 期間
- 2022年10月15日(土)〜30日(日)
- 開催時間
- 11時〜19時 火曜定休
- 入場無料 最終日17時閉場
展示の様子をお写真でご覧ください
第2回
「格別なる表現から生まれた
祈りのかたち」展
- 期間
- 2022年11月12日(土)〜27日(日)
- 開催時間
- 11時〜19時 火曜定休
- 入場無料 最終日17時閉場
展示の様子をお写真でご覧ください
第3回
「アルテマイスターの厨子」展
- 期間
- 2022年12月10日(土)〜25日(日)
- 開催時間
- 11時〜19時 火曜定休
- 入場無料 最終日17時閉場
展示の様子をお写真でご覧ください
第1回
内田繁の厨子展
- 期間
- 2002年10月19日(土)〜11月10日(日)
家の仏壇について興味の無い人はいないと思います。それは自身の精神の場であるとともに親・先祖と出会える貴重な場だからでしょう。しかし、今日の住居と既製の仏壇のデザインとは大きなへだたりがあります。そうした意味において今日的生活感と仏壇のデザインとを同化しました。
デザイナー 内田繁
外なる自然も、心の自然も崩れようとする「今」、大切な「ものごと」を安置し静かに手を合わせ、自然の営みとして、平安、静寂、希望を取り戻す、現代に似合う「厨子」こそ不可欠と企画しました。
コーディネーター 山田節子
第2回
東日出夫「粋境の厨子」展
- 期間
- 2006年5月26日(金)〜6月8日(木)
漆工芸家として今、際立つ仕事で注目される東日出夫氏。その出発点は鎌倉彫仏師への入門に始まったとのこと。初心に帰り楽しみながら製作された「厨子としつらい」の数々をご覧ください。
第3回
祈りのかたち 米田文 藤野征一郎
- 期間
- 2008年11月1日(土)〜17日(月)
もの溢れる時代の中で置き忘れられて来た祈りのかたち。この課題に二人のクリエーターが真摯に向き合ってくれました。現代の人の心や住まいに寄り添う祈りのかたちが、それぞれの生き方として表現されました。
第4回
デザイナー 森豪男 手のひらの厨子展
- 期間
- 2009年4月4日(土)〜19日(日)
森豪男氏とアルテマイスターの職人たちとのコラボレーションから生まれた手のひらに乗る厨子の数々を是非ご覧いただきたくご案内いたします。今日の生活環境や社会状況を視るとき、僅かな部屋の一隅に、あるいは机の一角に、そして旅先へと、ひとりひとりの心に寄り添うこころ箱。魂を委ねるに値する箱であることを願いデザインされ、熟練した技で、木の命を生かし、創出された8 種36 個の厨子たちです。
第5回
陶芸家 伊藤慶二 祈りのかたち展
- 期間
- 2009年9月17日(木)〜30日(水)
この度、ギャラリー厨子屋では、念願でありました企画展の開催となりました。
先生は常に、表層的なものごとに一線を画し、深い思索と探求心から、畏敬を放つ仕事を続けられています。浄い生き方そのままに、自然であるがごとく造形される格別な祈りの世界。その出会いを是非ご堪能ください。
第6回
東日出夫「粋・境の厨子」展
- 期間
- 2011年2月4日(金)〜17日(木)
常に少年のような好奇心で 人生そして仕事に対峙し この人でなければ出来ぬ表現の厨子を発表して5年。境地を深め この度新作厨子を披露させていただきます。新作厨子9点に合わせ漆の器など30点余展示しご覧いただきます。
第7回
成田聡子の「お地蔵さん」展
- 期間
- 2011年12月10日(土)〜25日(日)
つらく悲しいことの多い一年の締めくくりに、苦しみの世界を巡り歩き、人々の代わりに苦しみを受けてくれるという地蔵を成田聡子さんが造ってくれました。
「心の中の綺麗な部分を、穏やかな感じでカタチにしました」と云う。澄んだ心で情熱を傾け、生まれて来る作品には、祈りの心が清らかに宿ります。
第8回
厨子も建築 -久村卓が考える厨子-
- 期間
- 2012年3月17日(土)〜30日(金)
来世の住まいとして、現世の調度として。
美術家として建築の素材である、土や端材などを生かし厨子を作ります。
第9回
米田文「わたし仏」
- 期間
- 2012年11月23日(金)〜12月6日(木)
高いかべが消えて地平線が見えたとき、また歩いていける気がします。
ひとりひとりのお守りとして、その人だけの祈りのかたち。
第10回
藤野征一郎「漆の仕事」展
厨子みたての額・祈りの厨子
- 期間
- 2013年4月13日(土)〜26日(金)
今回は現世とその先との「境界」を強く意識し製作に励まれたと云う。
厨子は大切な「こころ」を仕舞う函。同じく額に納めると云う行為も又、己と向き合う祈りのかたちと想い、そこに生れました藤野厨子と額。その想いの姿、是非ご覧ください。
第11回
内田鋼一「祈りのかたち」展
- 期間
- 2014年5月25日(日)〜6月8日(日)
元来、あまり何かに頼ったり、縋ったりしないたちだが、祈り……というか手を合わせることは幼いころから、度々あったように思う。
人間も含め、生き物の生死と向きあった時や、人の力では如何ともし難い事が起きたりした時など、無意識なのか手を合わせたりしている自分がいる……
そんな手を合わせる『祈り』に対して、物作りである自分が出来ることをかたちにしてみたいと思った。
第12回
福森雅武「祈りのかたち」展
- 期間
- 2015年11月21日(土)〜12月4日(金)
福森さんはいつも言われる。
私は概念を捨てて 鍋も 抹茶椀も 何もかも同じ精神でつくると言う。
鍋を囲んで吞まれる時も茶の湯のお茶時と心は同じことであり何事も形式に囚われすシンプルにならなければ何も答えは出てこないと。そして今回は厨子屋念願の祈りのかたち展が実現いたしますが、どんな答えをと、ひたすらに心待たれます。
第13回
緒方慎一郎「祈りのかたち」展
- 期間
- 2016年3月25日(金)〜4月8日(金)
菓子・茶・料理・道具・空間
そしてそこに纏わる しつらいやふるまい。この国が積み上げてきた伝統という約束事を内包した上で常識を超えて、新しい様式を生み出したいと考え続ける緒方慎一郎。
その人は 祈りのかたちを如何にと願い依頼して二年。緊張感と柔らぎの 祈りのかたちが生まれました。
第14回
ミヤケマイ祈りのかたち展
reve les yeux ouverts
- 期間
- 2016年7月1日(金)〜7月14日(木)
永遠の時間の中で
小さな
枕木一本の私たち
通り過ぎてゆく
多生の緑
良きものや
愛したものを
しばし留める小き箱
そこでは
懐かしいものたちと
つながる
そんな人の心が
厨子に
かたちを与える。
ミヤケマイ
第15回
米田文「百仏」
- 期間
- 2016年11月25日(金)〜12月8日(木)
わたしの輪郭がほどけて痛みを感じるとき。
大丈夫、と伝えたいとき。
100の祈り。100のかたち。
第16回
藤野征一郎「祈りのかたち」展
- 期間
- 2017年3月17日(金)〜31日(金)
素材の持つ力を重んじ質感や造形表現を深く追求し続ける漆工芸家の藤野征一郎さん。
この若さで、この技量この表現と驚かされてから早20年になろうとしていますが、その姿勢は変わることなく常に手を尽くし心を尽くし、創る者の責任として完結せねばとその姿は若き苦行僧の如しです。
厨子屋がスタートして15年。その最初からこのギャラリーに欠かせぬ作り手の一人として、その作品は多くのお客様の心に届く仕事でした。
今回は 小型でありながら密度のある、しかも納得いただけるお値段でと心掛けた厨子や会津の職人さんの木地に塗装し加飾した厨子・額縁・棚など、一堂に展示させていただきます。
皆様とともに、その心映え拝見出来ること
楽しみに思います。
山田節子
第17回
伊藤慶二「祈りのかたち」展
- 期間
- 2018年3月17日(土)〜30日(金)
私の家は座敷・居間・台所と昔ながらの間取りです。
家の格式を現す座敷には床間・神棚はありますが仏様を納める仏壇はありませんでした。小形で狭いスペースに安置する事のできる仏壇があればと試作した厨子がありました。
それを基本に設計し、アルテマイスターの皆様に協力してもらい完成しましたのが「仏堂」です。
皆様宅の住空間に納まり、「いのりの場」となれば幸いです。
伊藤 慶二
第18回
清水真由美「祈りの器」展
- 期間
- 2018年10月13日(土)〜26日(金)
精を込め 根を詰め ひたすらに器づくりに浸る清水さん。
格別暑き夏の日の午後 電話を入れますと かすれた声で「言葉を発する事すら 忘れていました」とのこと。
そんな日々の中から生まれた 繊細な練り込みの器の数々。
山田 節子
第19回
過去に学び 未来へ アルテマイスター
「工房厨子」発表
- 期間
- 2019年8月23日(金)〜9月1日(日)
アルテマイスターは、会津若松の地場産業の一つとして1900年創業以来、仏壇・仏具・位牌の製造販売を一貫して手がけている総合メーカーです。
この度、「過去に学び、未来へ」と題し、日本の美意識ある造形物から、ものの在り方や普遍的な意匠を学び、これからの時代が必要とする祈りのかたちとして、「工房厨子」を発表させていただきます。
第20回
「若杉聖子の具足展」
- 期間
- 2019年11月16日(土)〜29日(金)
若杉聖子さんは、具足 <花立・香炉・茶湯器・仏飯器・高杯など> のような
小さな世界をつくっている時が 一番楽しく嬉しい時と云われる。
そんな幸せな時から、如何なる世界が生まれてくるのでしょうか、作品との出会いが待たれます。
山田節子
第21回
成田聡子「おだやかな こころ」展
- 期間
- 2020年10月10日(土)〜23日(金)
初めて成田聡子さんの作品に出会ったのは2002年の工芸都市 高岡クラフト展審査会場でのことでした。便利さと 変化させることを優先させ 追い続ける時代の中で
〈 壊れていく 忘れられていく 〉人とモノとコトの関係をユニークでおだやかな表現でつなぎとめてくれる優しさ溢れる作品でした。
それから18年。
この時を 予期したがごときタイトルでの展示会となりますが「おだやかな こころ」との出会い 適いますこと心より念じ ご案内申し上げます。
山田節子
第22回
泉泰代「祈りのかたち」展
- 期間
- 2021年7月3日(土)〜16日(金)
久しく地層に埋もれることで新たな<命>を宿す<埋もれ木>。
その自然の力の美しさに焦がれ、集め置かれた<杉・楡>材の命を頂き、形も自ら作り・素地の美しさを守るべく<木地仕上げ>とされ、すべての工程を精緻に手がけ生れた祈りのかたちの数々。
コロナ禍の最中ではございますが、自然の精霊が宿るが如き作品を是非ご覧いただきたく、ご案内申し上げます。
山田節子
第23回
米田文「日々仏」展
- 期間
- 2021年11月20日(土)〜12月3日(金)
日々の暮らしとともにあり
自念仏として、お守りとして
いつも傍にあって寄り添ってくれる
そんな願いから生まれた仏様たちを
ご覧いただきます。
第24回
福森雅武「祈りのかたち」展
- 期間
- 2021年12月11日(土)〜12月24日(金)
花生けの名手であり 料理の名人でもある。
圡楽窯へお訪ねした時は 何度も朝早く山や野に出でて自然の恵み深き その日その時ならではの木・花・草を生け迎えてくださる。
かつて 白洲正子が京都滞在の折は 電話を入れ「一山超えても食事は伊賀の福森で」と言われたことを今も労を惜しまず 良き花材・良き食材を重んじるに同じく
陶芸も又「良き土との出会いあればこそ」何を創るべきか形が決まって来ると 常に云われる。
この度も 展示会のお願いをし 待つこと暫しのことでした。
圡楽窯の次を継ぐ お嬢さんからご連絡があり「気が乗り作り始めておりますので 大丈夫です」との嬉しいお知らせを頂け 有難くひたすらに 作品をお待ちいたすことでした。
厳しく不安多き、この年の師走に福森さんの「祈りのかたち」展を開催させていただけます事はくる年への 希望や願いを託す救いでは無いかと思えます。
一切衆生の願いを満たし苦を救うという<如意仏> 息災祈願の<不動明王>をはじめ <観音像><蓮弁皿><花入れ><書>等々、祈りのかたち」の数々の出会いをと願いまして、ご案内申し上げます。
山田節子
第25回
十時啓悦「祈りのかたち」展
- 期間
- 2022年6月18日(土)〜7月1日(金)
十時さんとのご縁は長く 銀座松屋の 「暮らしをつくるクラフト展」で27オの若さで「優秀賞」を取られた 悠然として 力強い作品との出会いに始まりました。
使えば使う程 その魅力を増す 漆芸の技法を自在に操り 形も然り。その大らかさが 使う人の心に響き 使う事を楽しめる堅牢な漆の仕事を瓢々と続けられる 稀有な作り人でした。
その根源は幼き日々にあり ご実家が木工所を営み遊び場がエ房で木片をおもちゃにして育ち小学校高学年頃には すでに手伝いをして小遣いを稼げる程の腕前であったとの事。
従って どんな課題や注文を出させていただいても軽やかに「分りました」 と 受けて下さった十時さんでしたが……
「祈りのかたち」 ではいつに無く立ち止まられ、あれこれ考えられたご様子なれど
この混沌として 自然も人の命も疎かにされる日々の中で、かつて素朴に生きてきた 人々の生き様を心に描きつつ……
自然がはぐくみ育ててくれた 漆の樹液。
いつかは自然に還る材料を使わせていただき心の美とし生まれた 祈りのかたちの数々をご覧いただきたくご案内申し上げます。
山田節子